原爆の記憶・描けなかった2枚の絵
先月25日に亡くなられた 女優深浦加奈子 さん 最後のナレーション番組が先日放映されました。 描けなかった2枚の絵~原爆が投下された日の記憶~ フジテレビ(2008年9月6日放送) 大変素晴らしい番組でした。 生涯を被爆体験を語ることに懸けてきた女性が、講演中に見せるために自分で描いた10枚ほどの絵があります。 しかし辛すぎてどうしても描けない2つの場面があり、それを美術科コースの2人の女子高生が描く、というものでした。 被爆者の女性が、当時の惨状を2人に切々と語ります。 真剣に聞き入る2人。 1人は 聞き終わるとすぐに描き出す。まっしぐらに迷いのない筆の動きで一気に描く。 しかし自分の祖母から初めて被爆体験を聞いたり原爆について調べていくうちに 描けなくなってしまう。。。 苦しみながら4ヶ月かかって描き上げました。 被爆直後、気を失っていた被爆者が立ち上がり 自分の変わり果てた体を見て驚くシーンを 悲しみ、恐怖、怒りが同時に伝わる力強い絵を完成させました。 もう1人は あまりの悲惨さに茫然とし身動きも出来ません。 溶けた皮膚と血まみれの体で、川に入って友人と出会うシーンを描かなければならないのだけど どうしても悲惨さが表現出来ない・・・。 被爆者の女性に7回も絵を見せて指示を仰ぐのだけれど・・・ とても綺麗な淡い色 優しい絵になってしまう。 「皮が溶けてね、川の水にも皮が浮かんでいるしとても悲惨なの」 被爆者の女性が優しく彼女を励ますが どうしても悲惨な情景が描けない。 その子は半年かかって・・・ まるでルノワールのように優しい色だけど、しっかりと伝えるべき強さを持つ絵を描き上げました。 2人の高校生に 本当にあっぱれでした。 加奈子さんが最後にどうしてもやりたかったお仕事。 加奈子さんのナレーションが とても温かく包んでくださりながら 本当は辛くて耳を塞ぎたい話も しっかりと聞く勇気を与えてくださるように 番組の最後まで運んでくださいました。 深浦加奈子さん。 被爆者の女性。 2人の高校生画家。 番組制作者。 全力で何かを伝えること。 大いに学ぶ番組でした。 ◾️トップページに戻る